副会長のごあいさつ
![]() |
|
公益社団法人の認定を受けての総会において役員の改選も行われ、新たな日本鍼灸師会の船出となります。
鍼灸の専門職能団体である当法人が公益法人認定されたことは、今まで以上に独自性を生かした社会が認める公益事業の展開を求められるものであります。換言すれば社会的に鍼灸・鍼灸師の存在意識や社会的に課せられた役割の創生と考えております。
今までも社団法人として自意識的な立場から鍼灸の発展・鍼灸師の資質向上に努めて参りましたが、今後は公衆の利益創生に繋げることを目的とした事業を展開し、「鍼灸の発展」と「鍼灸師の資質向上」に資源を集約し公益増進の実現に、より一層努めなければならないと存じます。
公益社団法人認定後の日本鍼灸師会は、「医療としての鍼灸・医療人としての鍼灸師」の確立にイニシアチブを持って邁進することが本懐であり、その確立こそが社会からコンセンサスを得た公益の創生となると確信するものです。
将来にわたり、日本の鍼灸医療並びに鍼灸文化が若い世代に発展的に承継されるように、その確立事業こそが日本鍼灸師会が責務とする事業と考えています。
以上を踏まえ、公益社団法人日本鍼灸師会の運営方針、即ち法令を遵守し、資源を公益目的事業に集中し、適正な法人の管理、運営に執行部の一員として微力ではありますが、心がけて参る所存であります。皆様方の温かいご支援と忌憚のないご鞭撻をお願い申し上げご挨拶といたします。
![]() |
|
鍼灸ビジョンをデザインする「鍼灸を活用した新しい日本型医療創生」
−患者さんのために開かれた鍼灸医療の実現−
自立・連携・協調がキーワード
この度は、平成23年度代議員総会の理事選挙におきまして、代議員の皆様から選任を賜り心より御礼を申し上げます。
3月11日の東日本大震災と福島原発災害から、私達はこれまでの価値観をリセットしていかなければならない状況に陥った現実です。国民は日本の従来の発想や手法に大きな転換の必要性を感じているのではないでしょうか。被災されました地域と避難を余儀なくされている方々につきましては、心よりお見舞い申し上げますとともに、お一人お一人の健康と、一日も早い地域の支援復興を心よりお祈り申し上げます。
さて、次世代エネルギーとロハスの協調関係による国策を打ち出せるかの真価が問われている話を耳にすることが多くなりました。日本の再生力に期待が寄せられている今、日本鍼灸師会も同様に新たな転換期であると認識しています。
仲野弥和新会長、高橋清人副会長を中心とした新しい理事体制が構成され、私にも新たな社会的責任が求められることになりました。
私は、多くの患者さんの痛み・苦しみを和らげることのできる鍼灸の良さを、一人でも多くの患者さんに知っていただき、これまで以上に患者さんが鍼灸を活用していただくための、開かれた鍼灸医療を実現していくことこそが与えられた責務と感じています。日本鍼灸師会がどれだけ患者さんを中心とした立場に立った公益性の高い組織として生まれ変われるか。新人代謝している「鍼灸力」を取り込んだ横断的事業を展開していけることができるか。還暦を過ぎた「鍼灸を中心とした鍼灸師会」の責任と考えています。
現在、患者さんを中心とした鍼灸医療の実現に向けて解決していかなければならない問題点は多様化しており、少なくとも共通認識しておかなければならない点があります。
第1に「鍼灸のエビデンスの必要性」です。伝統医学の国際化の動きは、WHO-ICD、ISOの場においては凄まじい主張の戦いで動いており、日本鍼灸は直ちにチーム力で戦略を構築していかなければなりません。現在、医療改革があらゆる側面から見直しをしていますが、超高齢化社会、医療費増大など、改革は患者さんを中心としたテイラード・メディスン、全人的な医療へと統合医療の新たな導入を考案されている現状です。
第2に「日本鍼灸のエビデンス創出が困難」であることの現状です。プラセボが困難あること、鍼灸治療に対する多様性、施術(治療)の定量化と均一化がさまざまであることなどの問題を抱えています。この問題に対して大規模なエビデンス創出のために、鍼灸業界がチームになれるかが問われています。
第3に「日本鍼灸の臨床研究」が乏しい現実です。一つは、鍼灸教育が抱えている現状と問題点。次に、あはき法で括られている医療制度です。半制度的なはり師・きゅう師の国家資格にある医療専門職。さらに制度的には医療機関で鍼灸が閉ざされていることです。鍼灸師の医療専門職が患者さんのために鍼灸を提供し、活躍できる場所と就労が閉ざされている現状です。
第4に「患者さんとご家族のために医療・介護・福祉を一体化した鍼灸の構想」です。現在、患者さんはもとよりご家族の方あるいは医療現場の方々も困っています。医療を中心としてきた政策が限界にきている現状で、包括的な枠組みの構想に鍼灸ができる支援はたくさんあるはずです。新しい切り口の分野で患者さんのために役立てることが出来ることは、医療費の削減に繋がり国を助けることに鍼灸を活用していただきましょう。
要するに日本の鍼灸は患者さんを中心とした医療に確立されていますか?どうですか?といこうことです。それは残念ながら不十分で弱く「NO」です。
今、私達は、先に述べた現状の問題を、「日本におる鍼灸の構造的な問題」として捉え、患者さんと鍼灸師双方で情報を共有し、「もっとより良い患者さんのための鍼灸をお示しできますよ」ということを共通認識していくことが重要と考えます。日本鍼灸師会は「患者さんのため」この一点に集中することです。そして、その事業は業界の垣根を越え、横断的に展開して力を結集することです。
結果的に多くの患者さんに鍼灸をよいイメージでとらえて理解され、鍼灸師を必要と考えて応援していただけるようになり、鍼灸師の集まりである日本鍼灸師会の存在をさらに理解していただけるようになるのではないでしょうか。
多様化している問題を解決するためのゴールに向かって走り続けて行きたいと思います。どうぞ皆様のご指導をお願い申し上げます。

